個人開発者、判断特化 LLM Jev を用いた米国株の自動売買検証結果を公開──535銘柄のペーパートレードで 0.63% のマイナス
文章生成を行わない高速な判断特化型モデル Jev を用いて Alpaca の仮想口座で 4 通りの売買手法を検証したところ、手数料を上回る有意差は確認できなかった。
リリース: 2026-09-30 · 読了 4 分記事の要約
1. 核心(What)
- TypeSafe AI の判断特化モデル Jev を用いて、Alpaca の仮想口座(初期資金100,000ドル)で2日間のペーパートレードを実施した結果、合計損益は −626ドル(−0.63%)となった
- S&P500 および Nasdaq-100 の計535銘柄に対し、5分足や日足のテクニカル指標、TA-Lib によるローソク足パターン(61種類)を Python 側で計算して入力した
- Benzinga のニュース約2.1万件を Jev に読ませて株価への影響を分類させたが、公開1分後の反応でも株価はすでに変動しており、優位なトレード成果は得られなかった
- 全サイクルの入力と Jev の回答を JSONL で保存し、過去データを用いたプロンプトの再評価やシミュレーションを効率的に行った
2. 影響(Why)
- 予測精度と損益の乖離: プロンプトの改善により評価指標(AUC)が 0.57 まで向上しても、荒い値動きの銘柄が上位に選ばれることで外した際の損失が大きくなり、コストを考慮すると無作為な選択を下回る結果となった。
- 国内の個人開発者への示唆: 個人開発者やフィンテック系の中小規模事業者が LLM を用いた自動売買ボットを検証する際、API の安さやモデルの応答速度(0.1〜0.5秒)に依存せず、既存の単純ルールや手数料コストを含めた厳密な比較が求められる。
3. 根拠・詳細(How)
- SDK の実装と質問スキーマ: Python SDK(typesafe_sdk)を利用し、Choice や Noul を用いた構造化出力によって state からの判断と確率値を一括して取得する設計を採用した。
- データ取得とブラケット注文の仕様: Alpaca の無料データ(IEX フィード)を使用し、1銘柄5,000ドル・最大10銘柄の買い注文を5分ごとに実行。損切り・利確は ATR の2〜3倍でブラケット注文を設定した。
4. 展望・課題(Next)
- 取引規制とデータ制約の課題: 米国のパターンデイトレーダー規制(残高25,000ドル未満での制限)や、IEX フィードによる出来高データの限界があるため、少額での実運用にはハードルが存在する。