Basel Action Network、AI データセンターの電子廃棄物試算を発表──2050 年までに最大 6.17 億トンへ到達
サーバー・GPU 単体にとどまらず冷却・電源・周辺インフラまで含めて集計し、AI がもたらす廃棄物の実態を定量化した。
リリース: 2026-09-16 · 読了 4 分記事の要約
1. 核心(What)
- Basel Action Network (BAN) は 2026 年 9 月、AI ブームに伴う電子廃棄物の試算レポートを公開し、従来の過小評価を指摘した。
- 2050 年までの累計電子廃棄物量は 3 億 9,500 万から 6 億 1,700 万メトリックトンに及び、年間では 860 万〜 1,310 万トンが廃棄される見通し。
- データセンター容量が 2030 年までに 219GW に到達するという McKinsey の予測をベースに算出されている。
- 米国のバーゼル条約未批准や、回収された電子廃棄物の 4 分の 1 未満しか正式にリサイクルされていない現状が指摘されている。
2. 影響(Why)
- インフラ全体を包含したコスト試算への転換: GPU 単体ではなく冷却や電源網まで含めた試算により、AI 基盤の運用コストに環境負荷・廃棄コストを織り込む必要が生じる。
- 国内インフラ事業者および大規模データセンター運用への影響: [国内 データセンター事業者およびクラウドベンダー] のような中規模以上の国内インフラ事業者は、サーバー更改だけでなく冷却・電源設備のライフサイクルと処分の法規制リスクを前提にした事業計画の再設計が迫られる。
3. 根拠・詳細(How)
- 電磁気・周辺インフラを含む集計スコープの拡大: サーバー、GPU などのアクセラレータに加え、配電・電源供給システム、冷却系統、バックアップ電源、ネットワーク機器、さらに端末の早期買い替えを指す「AI Waste Contagion」を統合して算出している。
- データセンター容量をベースとした係数モデル: McKinsey の 2030 年データセンター容量予測(219GW)を基軸に、1GW あたり 70,000 メトリックトンの電子廃棄物が発生するという係数を用いて 2050 年までの退役機器量を導出している。
4. 展望・課題(Next)
- 有害廃棄物の国際移動規制と法制化の動向: 米国など主要なデータセンター保有国におけるバーゼル条約批准の有無や、各国での電子廃棄物規制の強化が今後の調達・廃棄コストに直結する。