ニューメキシコ州最高裁、ChatGPT の架空証言を訴準備書面に引用した弁護士を直接法廷侮辱罪で処分
40年以上のキャリアを持つ弁護士が ChatGPT による生成結果の事実確認を怠り、存在しない警察官などの偽証言を控訴趣意書に混入させた。
リリース: 2026-09-11 · 読了 3 分記事の要約
1. 核心(What)
- ニューメキシコ州最高裁は、ChatGPT の生成した偽証言を訴準備書面に引用した弁護士 Stephen Aarons 氏に対し、法廷侮辱罪の判決を下した。
- 問題の書面には、実在しない警察官や証人(Officer Michelle Amarillo、Manal Al-Jibury、Danny Stanton など)による架空の証言が多数含まれていた。
- Aarons 氏は 40 年以上のキャリアを持つ刑事弁護人であり、殺人罪で終身刑を受けた被告の控訴のために裁判のトランスクリプトを ChatGPT に入力していた。
- 州最高裁は同件を懲戒委員会へ送り、AI 出力の検証を怠り依頼人に隠蔽した姿勢を厳しく非難した。
2. 影響(Why)
- 法的文書における AI 信頼性の限界: LLM はもっともらしい架空の証言や判例を作り出す特性があるため、人間によるクロスチェックなしの運用は職務怠慢とみなされる前例となった。
- 国内士業組織へのガバナンス要件: 国内の弁護士法人や法務コンサルティング組織は、AI 生成物の出力根拠を担保しないまま業務利用すると同様の懲戒リスクを負うため、業務プロセスの見直しが急務である。
3. 根拠・詳細(How)
- 裁判所による調査と証言の特定: 2025 年 8 月の書面提出から数週間後に州検察側が削除申し立てを行い、最高裁が審理した結果、Officer Michelle Amarillo や Teresa Marquez などの複数証言が完全に捏造であると特定された。
- 当事者の自認による事実認定: Aarons 氏自身が裁判所に対し、ChatGPT にトライアルのトランスクリプトを入力したこと、および事実や法的根拠の事前検証を行わずに署名・提出した事実を認めた。
4. 展望・課題(Next)
- 懲戒委員会での処分決定: 最高裁から付託された懲戒委員会において、同氏の弁護士資格剥奪を含めた正式な処分が決定される見込み。