Cognition、AI エージェントで RSA-260 因子分解を達成──過去最高記録を更新
Devin の並行セッションを活用し、CADO-NFS の GPU 最適化と約 10 倍のコスト削減を達成した事例。
リリース: 2026-09-09 · 読了 4 分記事の要約
1. 核心(What)
- Cognition は、公開された RSA Factoring Challenge の最大記録となる RSA-260 の因子分解に成功した。
- 全体の計算コストは 約 4,900 GPU-days(市場価格で約 40万ドル)であり、従来の最先端手法に比べ約 10 倍のコスト削減を実現した。
- 開発者 Eric Lu 氏が最大 18 セッションの Devin エージェントを並行稼働させ、約 3 週間のサイドプロジェクトとしてコードベースの大部分を GPU 向けに書き換えた。
- 本演算は LLM の事前学習クラスタ(NVL72 ラック)に残る余剰の単一ノードフラグメント上で実行された。
2. 影響(Why)
- 専門外の開発者が性能最適化を達成: 暗号理論の専門家ではない開発者がエージェント群を指揮して世界記録級のコードを書けたため、高度なドメイン知識が必要だった最適化領域への参入障壁が劇的に下がる。
- 国内セキュリティ・暗号研究への影響: [国内の暗号・セキュリティ研究機関] のような専門チームは、エージェントを組み合わせた並列コード最適化のワークフローを検証し、レガシー暗号の評価コスト算定プロセスを再設計する必要がある。
3. 根拠・詳細(How)
- CADO-NFS の GPU 向け全面リライト: オープンソースの GNFS 実装である CADO-NFS をフォークし、NVIDIA GB200/GB300/B200 ハードウェア向けに最適化。GPU 版の格子シイバ glas をはじめ、多項式選択や線形代数ステージなどを Devin が大幅に書き換えた。
- 実行ワークフローとリソース配分: 合計 192 セッション(14,450 ACU、延べ 82,702 ワード)を通じてエージェントがパラメータ調整やデバッグを自動化。LLM 学習の余剰クラスタを使い、分散環境の調停は人間が手動で実施した。
4. 展望・課題(Next)
- 実用暗号への影響と限界: RSA-1024 の推定コストは 3,000 万ドル規模に下がるが、RSA-2048 に対しては依然として数億倍の困難さがあり影響は限定的。
- コード乖離に関する課題: 上流の CADO-NFS からコードが乖離するにつれてエージェントの混乱が増加したため、事前学習データへの依存度が今後の課題として残る。