Inception、拡散モデルアーキテクチャを採用したモデル Mercury 2.5 を発表──毎秒 1,107 トークンの推論速度を達成
自己回帰型モデルを超える推論速度と 260K コンテキストを備え、Claude Haiku 4.5 や Flash-Lite 帯のコスト効率を実現した最大級の拡散 LLM。
リリース: 2026-09-08 · 読了 3 分記事の要約
1. 核心(What)
- Inception は拡散言語モデル Mercury 2.5 を公開し、標準的な NVIDIA GPU 環境で 1,107 トークン/秒の生成速度を達成した。
- Mercury 2 と比べて 40% の知能向上が見られ、Claude Haiku 4.5 や Flash-Lite と同等のコスト最適化モデルの帯域に位置する。
- 260K トークンの長文脈処理、チューニング可能な推論、並列ツール呼び出し、スキーマ準拠の JSON 出力をサポートする。
- API の価格は入力 $0.20 / 出力 $0.75(100 万トークンあたり)で、80% のローンチディスカウントやキャッシュ入力時 $0.02 の割引が用意されている。
2. 影響(Why)
- 多段 LLM 呼び出しのレイテンシ改善: 1 回のユーザー操作で数十回のモデル呼び出しが発生する検索・RAG や音声エージェントのパイプラインにおいて、ミリ秒単位の累積レイテンシを大幅に圧縮できる。
- 国内音声・検索 SaaS のコスト削減: [国内 音声・検索 SaaS 業種] のような中規模事業者は、複雑なタスクをフラグシップモデルに任せつつ、コンテキスト要約やクエリ書き換え等の周辺処理を Mercury 2.5 に逃がすことで、推論コストを最大 90% 削減する二段構えのアーキテクチャに移行可能になる。
3. 根拠・詳細(How)
- 拡散モデルによる並列デノイジング機構: 従来の 1 トークンずつ生成する自己回帰型と異なり、画像生成拡散モデルと同様の仕組みで多数のトークンを並列に反復デノイジング処理することで、コモディティ GPU 上で 1,000 トークン/秒を超えるスループットを実現した。
- OpenAI 互換 API による即座の統合: Inception API は OpenAI 互換のエンドポイントとして設計されており、ベース URL とモデル名を 'mercury-2.5' に書き換えるだけで既存のアプリケーションや OpenRouter、Baseten 経由のルーティング基盤へシームレスに組み込める。
4. 展望・課題(Next)
- 周辺プロダクトの展開: タイム・トゥ・ファースト・トークン(TTFT)を 170ms 未満に抑えた Mercury Voice や、オープン・クローズドモデル間の動的ルーティングを行う Mercury Router のプレビュー版が順次展開される予定。