Google、音楽生成モデル Lyria 3.5 を API 公開──ボーカル入り楽曲のマルチモーダル生成に対応
Google は商用ライセンス済みのデータで訓練された音楽生成モデル Lyria 3.5 を AI Studio と Gemini API で公開し、開発者が歌詞や楽器構成を指定した 44.1 kHz ステレオ音源を生成できる環境を提供した。
リリース: 2026-09-04 · 読了 3 分記事の要約
1. 核心(What)
- Google は音楽生成モデル Lyria 3.5 を開発者向けに公開し、AI Studio および Gemini API 経由でのアクセスを可能にした。
- モデルは固定 30 秒の Clip とマルチ分の曲構成が可能な Pro の 2 種類で構成され、44.1 kHz ステレオの MP3 音声を出力する。
- テキストプロンプトまたは最大 10 枚の入力画像から、セクションタグ ([Verse], [Chorus]) やタイムスタンプ指定による楽曲構築をサポートする。
- Google は権利処理済みのデータセットでモデルを訓練しており、各音源には SynthID による電子ウォーターマークが埋め込まれる。
2. 影響(Why)
- 商用利用リスクの低減: Suno や Udio が大手音楽レーベルから著作権訴訟を受ける中、Google の「ライセンス済みデータ訓練」と SynthID 義務化の組み合わせは、商用プロダクトへの音源組み込みにおける法的リスクを劇的に下げる。
- 国内エンタメ・SaaS 開発への影響: 国内のゲーム制作会社や中規模の音楽・動画制作 SaaS などの事業者は、外部の法的懸念がある生成ツールを避け、既存の Gemini SDK と統合された公式 API で安全に BGM や挿入歌の自動生成パイプラインを構築できる。
3. 根拠・詳細(How)
- モデルバリエーションと Interactions API: lyria-3.5-clip-preview(30 秒固定)と lyria-3.5-pro-preview(複数分の楽曲構成)の 2 系統が用意され、Google の新 Interactions API 経由で base64 エンコードされた音声と歌詞・JSON 構造のテキストブロックを同時に返す。
- プロンプトおよびタグ制御の仕組み: [Verse] や [Chorus] などのセクションタグや [0:00 - 0:10] のタイムスタンプ指定に加え、最大 10 枚の画像入力を組み合わせることで、視覚的ムードや発話言語(フランス語など)に最適化された歌唱・アレンジを出力する。
4. 展望・課題(Next)
- 単一ターン生成の制約: 現時点ではシングルターン生成のみとなっており、コーラス部分だけを部分修正するような反復的編集はサポートされておらず、トラック全体の再生成が必要となる。
- シード値非公開の非決定性: プロンプトが同一であっても毎回異なる楽曲が生成される仕様であり、シード値の固定コントロールは現在の API には露出していない。