AIチップ開発のEtched、シリーズCで103億ドルの評価額を達成──Transformer特化型ハードウェアで受注10億ドル突破
Transformerアーキテクチャに特化した独自チップで推論のボトルネックを解消し、Nvidia GPU優位の市場で評価額を7ヶ月で倍増させた。
リリース: 2026-07-23 · 読了 4 分記事の要約
1. 核心(What)
- AIチップスタートアップのEtchedがシリーズCラウンドで3億ドルを調達し、評価額103億ドルに到達。
- Sequoia Capitalが主導し、Andreessen Horowitz、SK Hynix、Jane Streetなどが参加。
- 既に10億ドル相当の受注を獲得済みで、初のフルシステムが顧客によるテスト段階にある。
- 2025年12月時点の評価額50億ドルから、約7ヶ月で倍増した。
2. 影響(Why)
- 推論コストの劇的な低減: Transformerモデルの推論に特化し、汎用GPUよりも電力効率とレイテンシを最適化することで、大規模LLMの運用コストを構造的に引き下げる可能性がある。
- 国内SaaS事業者への示唆: 大規模なRAGや推論基盤を自社運用する国内のVertical SaaSやAIインフラ企業は、Nvidia一辺倒の調達戦略を見直し、特定ワークロードに最適化されたASIC(特定用途向け集積回路)導入を検討すべき時期に来ている。
3. 根拠・詳細(How)
- 低電圧推論と独自メモリ技術: 推論のPrefillフェーズを低電圧動作で高速化し、Decodeフェーズには「cluster-scale memory」と呼ばれる独自インターコネクト技術を採用して共有メモリの低レイテンシ化を実現した。
- アーキテクチャの汎用性: Transformerだけでなく、Mambaのような状態空間モデルやDeepSeek等のMoEモデルもサポートしており、特定のモデル専用ではなく、Transformerベースのモデル全般を網羅する設計となっている。
4. 展望・課題(Next)
- 量産化への課題: 現在、Milpitasに10MWのデータセンター施設を確保し、量産体制の構築を進めているが、安定した供給と大規模デリバリーの実行力が今後の最大の障壁となる。