Xiaomi-Robotics-1:10万時間の実世界データで学習したVLAモデル、RoboCasa365で成功率57.6%を達成
10万時間超の操作軌跡と自動ラベル付けパイプラインにより、未知環境での汎用性と高効率な微調整性能を両立した。
リリース: 2026-07-16 · 読了 5 分論文概要
Xiaomi Robotics Teamが発表した「Xiaomi-Robotics-1」は、10万時間以上の実世界操作データを用いて学習された、汎用的なVision-Language-Action(VLA)モデルである。本モデルは、未知の環境下でのモバイルマニピュレーション(移動・操作)タスクを言語指示に従って実行可能であり、かつ少量のデータで新規タスクへ適応できる高い汎用性を備えている。

関連研究
従来のロボット学習手法は、特定の環境やタスクに過学習しやすく、スケーラビリティに課題があった。本研究は、大規模な実世界データセットと、自動ラベル付けパイプラインを組み合わせることで、Transformerベースのモデルが持つスケーリング則をロボット制御に応用しようとするものである。
新規性と貢献
本研究の最大の貢献は、UMI(Universal Manipulation Interface)デバイスを用いて収集された大規模データセットと、シーン状態の遷移を自然言語で記述する自動ラベル付けパイプラインの構築にある。これにより、モデルは複雑な環境下での動作を効率的に学習可能となった。
提案手法の詳細
本手法は、事前学習と事後学習の2段階で構成される。
- 事前学習: 10万時間以上の実世界操作データを用い、広範な動作生成能力をモデルに付与する。
- 事後学習: ロボットの形態や人間による自然な指示命令に合わせるためのアライメントを行う。
モデルアーキテクチャには、事前学習済みVLM(Vision-Language Model)と拡散変換器(DiT: Diffusion Transformer)を統合しており、視覚情報と言語指示から直接ロボットの行動を生成する設計となっている。

評価・考察
実験では、データ量とモデルサイズを拡大させることで、性能が着実に向上するスケーリング則を確認した。主要ベンチマークであるRoboCasa365では成功率57.6%を記録し、既存のSOTAである46.6%を大幅に更新した。また、RoboDojoにおいても平均スコア20.07と、前SOTAの13.07を上回る結果を示した。

応用例と今後の展望
本モデルは、製造業や物流現場における自律移動ロボットの操作タスクにおいて、特に高い実用性を持つ。日本のロボット開発企業や研究機関にとって、10万時間規模のデータセットがもたらす汎用性の高さは、特定のタスクに依存しない「基盤モデル」としてのロボット制御を実装する際の強力なベンチマークとなる。今後は、より複雑で器用さが求められるタスクへの適応と、データ効率のさらなる向上が課題である。
結論
Xiaomi-Robotics-1は、大規模データとスケーリング則の活用により、ロボットマニピュレーションの汎用性を新たな段階へ引き上げた。コードとモデルチェックポイントの公開が予定されており、今後のロボット基盤モデルの研究開発において重要な役割を果たす。
注釈
- VLA (Vision-Language-Action) モデル: 視覚情報とテキスト指示を入力し、ロボットの行動計画や制御指令を出力するモデル。
- UMI (Universal Manipulation Interface): ロボットの操作データを効率的に収集するためのデバイスおよびインターフェース。