Thinking Machines、初のオープンモデル「Inkling」を公開──975BパラメータのMoEで企業向けカスタマイズを推進
元OpenAI CTOのMira Murati氏が創業したスタートアップが、汎用モデルではなく自社でファインチューニング可能なオープンモデルで市場への挑戦を開始した。
リリース: 2026-07-15 · 読了 5 分記事の要約
1. 核心(What)
- Thinking Machines Labが975Bパラメータのオープンウェイトモデル「Inkling」をリリース。
- 推論時には41Bパラメータのみを使用するMoEアーキテクチャを採用。
- 45兆トークンのマルチモーダルデータで事前学習済み。
- モデルカスタマイズプラットフォーム「Tinker」を同時に展開。
2. 影響(Why)
- API依存からの脱却: 商用モデルへの依存は、サブスクリプション費用に加え、プロンプトを通じてビジネス知識がモデル側に吸収されるリスクを伴う。Inklingは自社環境で完結するモデル構築を可能にする。
- 国内事業者への影響: 国内の金融・製造業など、機密性の高い専門データを扱う中規模以上の組織は、汎用APIの利用から、自社で制御可能なオープンモデルへの移行をQ3以降の優先事項に据えるべきである。
3. 根拠・詳細(How)
- 推論効率の最適化: 975BパラメータのMoE構成のうち、推論時には41Bパラメータのみを発火させる設計。NvidiaのNemotron 3 Ultraと比較して、同等のコーディング性能を1/3のトークン消費で実現する。
- 学習手法とデータ: 45兆トークンのマルチモーダルデータで事前学習。初期のポストトレーニング段階では、Moonshot AIのKimi K2.5を含む既存のオープンウェイトモデルを蒸留に活用している。
4. 展望・課題(Next)
- 安全性の責任分担: モデルのカスタマイズはユーザー側がTinkerプラットフォーム上で行うため、安全性やハルシネーションの制御はユーザー側に委ねられる。